更年期や大人のアトピーを悪化させないスキンケア

更年期を迎えた大人が、突然アトピー性皮膚炎になる？

アトピーというとお子さんの皮膚病というイメージをお持ちかもしれませんが、更年期になった大人がアトピー性皮膚炎だと診断されることがあるようです。当店でも更年期になってアトピーになったというご相談を受けることがあります。お話をよくお聞きしていくうちに、その原因は更年期になったからアトピーになったわけではなく、洗いすぎてアトピーになったことが分かりました。

若い頃は皮脂の分泌が盛んで朝晩、脱脂力の強い石鹸で顔を洗っても乾燥しなかったのですが、加齢と共に皮脂の分泌が低下しています。若い頃と同じ洗顔料で洗顔していたのではだんだんと肌は乾燥するようになります。自らの皮脂の分泌が低下しているのに、更にしっかりと洗顔された肌はバリア機能が低下して、外部刺激に敏感になっていきます。

アトピーの一因は乾燥肌で肌バリア機能が低下していることが挙げられます。ですから、更年期に起こるホルモンの変化がアトピーを引き起こしているのではなく、普段お使いになられている化粧品によってアトピーになっていると考えられます。

実は、アトピーになる原因を自分でつくっていた

更年期のアトピーの方にお薦めするスキンケアは、まずできるだけ洗わないことです。メイクをされている場合は、メイクや汚れは落としても皮脂を落とさない脱脂力に配慮したクレンジングや洗顔フォームを使用することが一番の改善策になります。

皮脂の酸化は肌老化に繋がりますので、朝晩洗顔料を使って洗わなければならないと未だに信じている方もいらっしゃるようです。肌が分泌する皮脂などでできた膜で覆われていなければ、皮膚は自然治癒力を発揮できないので、大切な皮脂を熱心に洗い流す方が、むしろ肌老化の原因を作っていることになります。

アトピーに合った「洗顔料」と「保湿剤」の見直しを！

お客様から洗顔に関して、よくあるもう１つの質問は、夜塗ったクリームが酸化するから朝の洗顔料を使った洗顔が必要ではないかというものです。化粧品のクリームは1日洗わなかったからといって簡単に酸化するようなものではありません。

洗顔時にできるだけ自分自身の皮脂を残しておけば、次に重要になるのは保湿です。更年期のアトピーの方に保湿としておすすめなのは、不足している細胞間脂質であるセラミドや皮脂を補うために、ヒトの皮脂に構造の近い馬油を配合している化粧品です。もし痒みや赤みが伴っている場合は、痒みや赤みを抑えるためにドクダミ化粧水などをプラスされることをおすすめします。